イノシシによる農作物の被害額は、昨年度36億2669万円に上りました。被害を減らそうと、全国から猟友会のメンバーや自治体の職員が訪れる場所が佐賀県にあります。
イノシシを捕獲する技術を教える「わなの塾」。罠の仕掛け方、仕掛ける場所、そして苦しめずに捕獲する技術まで。教えるのは、78歳の男性です。
社長室にシカ・イノシシ・クマの剥製

イノシシの罠を組み立てているのは害獣などを捕獲する罠メーカーの社長、和田三生さんです。

三生 社長 和田三生さん(78)「これは足くくり(罠)なんですね、動物の通る獣道は必ず山にあります。その獣道に仕掛けて害獣を捕獲する」

和田さんの会社ではイノシシをはじめ、タヌキやアライグマなどを捕獲するくくり罠や箱罠の製造・販売を行っていて特許も多数取得しています。

RKB 西尾健佑記者「社長室には、シカやイノシシ、クマなどの剥製があり、和田さんが罠などでとらえたものになります」
和田三生さん「このクマは北海道富良野で捕獲が禁止される前の年にとったんです」
約15年前に「わなの塾」立ち上げ

20歳のころから趣味で狩猟を始めた和田さんは今後、野生動物が増えれば被害も増加すると考え、1981年に罠の販売を始めました。

和田さんの予想通り野生動物による被害は増加。捕獲の技術を伝えるため、15年ほど前に「野生鳥獣捕獲技術研修センター三生塾」(通称:「わなの塾」)を始めました。

受講料は1日、1万4300円(税込)。このところ希望者が増え、「わなの塾」には全国から行政や猟友会の関係者が集まります。

和田三生さん「勉強されたものは地元に持ち帰って技術を、またそこで人材育成なり、農家の方が困らないようにとってあげてくださいねっていう考え方でしたね」







