47歳年齢との闘い

現在47歳の道下選手は、東京パラリンピック後の3年間で大きな足の故障を2回経験した。
道下美里選手「無茶をしたら壊れるなという感じは正直あるので、自分にベストな選択は何だというのを常に考えながらやっています」
その中で取り組む時間を増やしたのが、ウエイトトレーニング。筋力を維持するための時間をかけることで、厳しい練習にも耐えうる体を作ってきた。
「思うように走れない期間が長かったことで、自分と向き合う時間が増えました。そういう意味では、心も強くなったと思います」と自信をのぞかせる。
マラソンを始めたきっかけは「ダイエット」
道下選手の目に症状が現れたのは、小学4年の時。原因は角膜の病気だった。13歳で右目がほとんど見えなくなり、25歳で左目の視力も0.01以下になった。
「普段は霧の中にいるように、ぼんやりとわずかに輪郭や色などは分かる。ただ日差しが強い日になると、目の前が真っ白になってしまう」という。
25歳で山口県立盲学校(現山口県立下関南総合支援学校)に通い始めた道下選手が、「ちょっとぽっちゃりしてきたし、少しダイエットで走ってみよう」という軽い気持ちで始めたのが、陸上だった。
そこから次第にのめり込んでいき、31歳で初めてフルマラソンに挑戦してからはどんどん力をつけていった。そして、30代の後半になると、国際舞台でも表彰台に上がるランナーへと飛躍していく。







