補償をした前例が悪用されないことを願う

では、再発防止はどうするんだろう? と専門家ではないので迂闊なことは言えませんが、まず思い浮かぶのは、二重チェックをするということです。搭乗の直前のところでもう一度チェックするシステムを作るというのが考えられるかと思います。この先、いろんな新しいセキュリティシステムが今回のことを奇貨として作られていくと思います。もう検討が始まっているかもしれませんが。

当然反発も考えられますよね。乗り込むまでにそれだけ時間がかかってしまいますから。今でも「○○便の方お急ぎください」という、分単位・秒単位で運航しているわけですから。

今回、事故やけが人などが発生しなかったことを喜ぶとともに、こういうことが起こらないように、犯人捜しをしても詮無いですが、公共性を考えれば「くれぐれも空港で人の迷惑になるような行動はやめましょう」とまずは言いたいですね。

ANAは新千歳空港で夜を過ごすことになった乗客に、お詫びとして1万5000円を補償したそうで、他の会社の対応が比較されています。僕は補償されたことに対し「それは良かったね」と思ったんですが、これが一つの前例になって「悪いことに利用されなきゃいいな」とも同時に考えてしまいました。

音楽業界にも影響が

僕が属している音楽業界の話題になりますが、このタイミングに北海道で「RISING SUN ROCK FESTIVAL」という音楽イベントが開かれていて、今回の影響で9mm Parabellum Bulletが出演できなくなってしまいました。

一方、ギリギリ間に合ったのがスガシカオさん。出番の5分前に現場に着いたと聞いています。「持っている人だな」ということなんですが、大変だったと思います。僕の身近でもこんなことが起きていますから、いろんなビジネスの現場でこの影響はもしかしたらまだ今も続いているのかもしれません。

空港という場所は、こういうことが起こりかねないということで、時間には余裕(allowance)を持って行動するに越したことないな、と痛感する出来事でした。