欧州遠征中の九州プロレスと知り合って

コーカスさんはまずトルコに入って、3年を過ごします。次にボートでギリシャに渡り、2週間歩き続けてドイツに入国。その後難民認定を受け、2016年にプロレスラーになる夢を実現しました。九州プロレスのTAJIRI選手はヨーロッパ遠征の際、コーカスさんと出会い、「シリア難民のプロレスラーのことを日本人にも知ってほしいと感じた」と言います。

TAJIRI選手「そんな半生を送った人間がプロレスをやっていると、結局ただ試合を見て面白かったではなく、レスラーの生き様が面白いと僕は思っているので、多くの人に知ってもらいたい、絶対いつか日本に来てもらいたいなと。(プロレスは)平和だからできるんですよね」
子供向けアニメを借りたら、なぜかプロレス動画

プロレス文化がないシリアでプロレスを知ったきっかけは、レンタルDVD店で子供向けアニメを借りたら、なぜかプロレスのDVDが入ったこと。実は13歳からシリアで美容師をやっていて、キャリアはプロレスラーよりも長い、というコーカスさん。現在レスラーとして活動しているドイツでも、美容師をなりわいとしています。
今年設立16年を迎えた九州プロレスは、コーカスさんが九州で試合をすることがお互いにとって良い影響があると考えて、コーカスさんの参戦を決めました。

九州プロレス 筑前りょう太理事長「世界と交わる、ということですよね。壮絶な人生を歩んできた人間の成長の舞台に、この九州がなれたならば。そして彼が成長した時、九州という言葉を出してくれたり。彼の胸の中に、成長させてくれた舞台としての”九州”は常にあると思う。九州が世界に広がるきっかけになるかもしれないし、実際に九州がある人間の成功に一つ貢献できた実績にもなると思う」