私との将来なんて考えていないだろう…恋人との別れを決意

大学時代には、恋人が出来た。
しかし、卒業を機に’彼’との別れを決めた。

八尾香織さん
「就職する時は『家族のそばに戻った方がいいよね』と思い、北海道の会社に就職を決めました。と同時に交際していたとはいえ、彼は自分との将来なんて考えていないだろう、と思い『私、北海道へ帰るから』と別れを告げました。その時は彼も『あっそう』という感じで、お互いにアッサリしていました」

20代の頃は全く結婚願望がなかったという香織さん。
厳しかった親との関係性もあり「家庭」というものに良いイメージが持てなかったという。

香織さんの父はいわゆる「亭主関白」で、母親は従順…典型的な昭和の家族だった。
そんな家族観も影響したのかもしれない。
生涯独身、という思いを胸に仕事にまい進した。

そんな香織さんが入社4年目を迎えた時、別れた大学時代の彼が、香織さんの当時の勤務先があった北海道北見市まで訪ねてきた。

「僕が札幌に移住してもいいから一緒になってほしい」とプロポーズを受ける。

しかし同じ北海道でも、北見市と札幌市とでは距離がある。
車で移動すれば4時間40分、JRを使っても4時間30分。
飛行機を利用しても、空港までの所要時間をプラスすると4時間30分。

「ここからじゃ札幌も東京も変わらないほど遠いわよ。それを分かってから言って頂戴!」と断ってしまう。