第7波による爆発的な感染拡大により医療崩壊への危機感が高まっています。救命救急の医師はいまの状況が続けば入院患者の受け入れがさらに厳しくなるとしています。

◆肌感覚では「9割の病床使用率」

福岡県は4日も1万人を超える人が新型コロナの検査で陽性だったと発表しました。病床使用率も依然として70%以上と高い水準が続いています。

救急患者を受け入れる医療機関も職員の感染や濃厚接触が急増し、病棟の閉鎖や急患の一時停止などの影響が広がっています。福岡県の新型コロナ対策本部でコロナ患者の入院調整を担当する九州医療センターの救命救急センター長・野田英一郎医師に聞きました。

野田センター長「病院スタッフの感染やスタッフ、家族の感染で就業制限がかかっています。十分な受け入れ態勢が確保できていないことから現場の肌感覚としては90%以上の病床使用率で運用しているような感覚です」

人手不足を解消するために、多くの医療機関で一般病棟のスタッフが新型コロナ対応の応援に入っているといいます。影響は救急医療にも及び始めています。

野田センター長「一般や救急診療を制限せざるを得ないような病床でスタッフの確保を迫られていて、救急患者さんの受け入れ先がないいわゆる搬送困難事案が多数発生しています」