北九州市のシンボル「若戸大橋」の老朽化が進んでいます。建設から60年を超え、安全な橋を維持していくためには定期的なメンテナンスが欠かせませんが、ここ数年、その予算が十分に投入されていたのか、疑問の声があがっています。
ライトアップされた「若戸大橋」

赤く染まった姿が夜の街に映える「若戸大橋」。2018年に通行料金が無料化されたのをきっかけにライトアップが始まりました。北九州市の象徴でもある橋は、おととし国の重要文化財に指定されました。そのシンボルカラーは赤ですが・・・

福岡市から訪れた人「ちょっとくすんでいるなと思いました。ちょっと赤くないなって」
岡垣町から訪れた人「もっと塗ったらきれいになるんやろうけど」
北九州市民「これね塗り替えるんですよ、時に。塗り替えたときはもっと赤いですよ。もうぼちぼち塗り替えても良いんじゃないかな」
橋に近づいてみるとイメージとは少し違った姿が見えてきました。

RKB今林隆史記者「真っ赤な姿が特色の若戸大橋ですが、よく見ると塗装が色落ちしている部分が多く見られます」
工業技術の粋を集め1962年に完成

1962年若戸大橋は完成した1962年当時「東洋一」と呼ばれ、工業技術の粋を集めた日本初の本格的なつり橋です。金属製のつり橋をサビから守るためには塗装の塗り替えが欠かせません。これまで断続的に塗り替え作業が続けられてきましたが、最後に行われたのは2014年。作業の空白は異例の9年間となりました。

なぜ空白期間があったのか、担当部署に聞きました。
記者「予算の投入の仕方と大規模改修の時期は適切ですか」
北九州市道路維持課楠根経年長寿命化担当課長「やはり無料化になって、2019年度から調査検討した上で、このタイミングでやるのが適切、ということで今回からやってきているといったような状況です」
25メートルの高さから1キロの金属片が落下

去年5月には、25メートルの高さから重さ1キロの金属片が落下する事故が起きました。適切な維持管理ができていれば防げた可能性があります。大規模修繕に9年間着手できなかったことについて、ある北九州市の関係者は「早期無料化の代償」と説明します。