◆「お作法」その1 紙の台本を廊下に並べる


いつもドキュメンタリーを作る時、どんなことを考えているかをお話しします。自分では「お作法」と言っています。

ニュースでも、原稿を書いて、映像を見ながら「どこを切り抜こうか」と考えて、一つのパッケージにしています。今回の映画版だと80分と長いものになっていますが、短いニュースなら1分、ドキュメンタリー番組だとは24分とか48分です。

僕はパソコンの画面だけで台本を確認することが苦手なんです。何ページにもなってくると、画面にはちょっとしか出ないじゃないですか。紙にプリントすると、何となく「ここの比重がすごく大きいな」とか、「ここが短すぎるんじゃないかな」「出てくるのが早すぎるんじゃないか」とかが、一覧で分かるんです。80分の映画版だと台本は50ページぐらいあったんですけど、廊下に1列ずらっと並べて、半腰になって見ていきました。

会社の廊下に並べた『リリアンの揺りかご』の台本

その原稿を書く時ですが、まず一気に書き上げます。ただ、着手するまでは受験勉強と同じで、すごく時間がかかるんです。おまけに「追い詰められると本を読む」という悪い癖があって、これもテスト前に漫画を読むのと一緒です。追い詰められた後に「まずい!」と思って、書き出すのですが、一旦始めると13時間くらい続けてやるという感じです。

そこで一気に大きな形ができたら、今度ははさみで切ってそれらを入れ替えてみて、廊下で「どうだろう…」とずっとやっています。実際、ばっさり切らなきゃいけないことがいっぱいあるんです。「もったいないな」とも思うんですが、切ります。本当は、切ったところを落としたくはないんです。そこを、ずっと頭の中に取っておきます。

はさみで切って、入れ替えてみる