1945年8月6日午前8時15分。初めて人の頭の上に、原子爆弾が落とされました。あれから78年たった2023年、2人の娘を奪われた母親の手記が見つかりました。記されていたのは、娘を失った悲しみと、平和を願う祈りでした。

「昭和20年8月6日‼ あゝこの日こそ私にとっては、永久に忘れることの出来ない痛ましい悲惨な想い出のつきぬ日である」

「原爆の記」と題した手記は、葭本(よしもと)しげ子さんが、書き残したものです。しげ子さんには、3人の子どもがいました。長男の孝彦さん、長女の恒子さん、次女の純子さん。夫は病気で他界したため、女手一つで3人の子どもを育てていました。