生きた証を未来に残したい…

6月、広島市の原爆資料館に宏子さんの姿がありました。満里子さんの書を寄贈するためです。

大村宏子さん
「この間、だ急に思い立って。私も何年かして亡くなったら、この書はどうなるんだろうって」

被爆から78年、80歳を超えた宏子さんは満里子さんの生きた証を未来へ残そうと寄贈を決めたといいます。

大村宏子さん
「別れる思ったら、やっぱりなんとも言えない気持ち。でも、ありがたいなと思って。感謝します」

同窓会に残る資料には、生徒の安否確認に奔走する教員の記録も残っています。

舟入・市女同窓会 市本秀則会長
「8月6日から経過日誌で、生徒たちがどのように亡くなっていたかなども書いてあります」

同窓会では、劣化が進む資料をすべて、デジタル化しました。資料自体を公的な施設に寄贈することも考えましたが…。

舟入・市女同窓会 住田恒三事務局長
「ここの学校の空気の中にあるのが一番ふさわしいのかなと最近思い始めて。朽ちたら朽ちたで、デジタル資料が残っているので、朽ちるならうちで朽ちていけばいいのかな。それが自然な形なのかなと思っている」

原爆によって奪われた市女の生徒の命は666人に上ります。その一人一人に青春があり、家族、友人がいました。残された資料は少女たちが生きた証です。

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RCCでは、市女の卒業生や遺族の方々を取材した特別番組「少女たちの公式」を、8月6日午前10時39分から放送します。また、ラジオでも同日午後1時から放送します。