8年の空白期間を経て、再びマイクの前へ。60歳のこのタイミングで、もう一度、実況アナウンサーの道を歩みはじめたRCC中国放送・長谷川努アナウンサーの胸のうちに全3回で迫ります。
人生を変えた夜
昨年冬、ある後輩アナウンサーの送別会があった。そこで、隣の席に座った青山高治アナウンサーから声をかけられた。
「今、全国で同年代のベテランアナウンサーが実況をしていますよ。昔の話も織り交ぜながら、楽しそうにやっています。そういう野球放送を聴きたい人は多いでしょうね」
何気ない会話だった。先輩の人生を左右しようなどという意図はない。青山はテレビ司会者として人気を博すが、熱心なラジオの愛聴家でもある。その視点からの「会話」だった。
この会話がひとつのヒントになった。
「上手く実況しなきゃいけない」。30年のキャリアがあるベテランならではの矜持が放送席を遠ざけてきた。しかし、違ったアプローチが見えてきたのだ。



































