8年の空白期間を経て、再びマイクの前へ。60歳のこのタイミングで、もう一度、実況アナウンサーの道を歩みはじめたRCC中国放送・長谷川努アナウンサーの胸のうちに全3回で迫ります。
60歳の春
球場の管理室で鍵を借り、放送席に鍵を開ける。自分で電気を点け、スコアシートに選手名を記入する。ここでの実況が放送されることはない。
実況デビューを前に、新人アナウンサーならば通った道である。
長谷川努アナウンサー、60歳。1989年に中国放送に入社し、佐々岡真司投手のノーヒットノーランや清原和博選手の500号ホームラン。さらには、鈴木誠也選手の2試合連続サヨナラホームラン。「やっぱり神ってるじゃないか」のフレーズは、野球ファンに強烈な印象を残した。
しかし、管理職業務のウエイトも増し、2018年を最後に、スポーツ実況の現場から離れていた。
あれから8年。「もう一度、カープ戦の実況を」という思いは、なかった。


































