3歳の男の子に十分な食事を与えなかったなどとして、保護責任者遺棄傷害などの罪に問われた祖父と母親の控訴審で、広島高裁は17日、控訴を棄却しました。

判決によりますと、男の子の祖父の熊谷和弘被告(53)と母親の瞳被告(27)は、去年9月と10月、広島市南区の自宅で当時3歳の男の子の両腕、両足首に粘着テープを巻き付けたほか、去年10月上旬からおよそ3か月間、十分な食事を与えず、適切な医療措置を受けさせるなどせず、一時的に心肺停止に陥らせました。

男の子はおよそ2ヶ月の入院が必要な、低酸素脳症だったということです。

一審の広島地裁は和弘被告に懲役3年6ヶ月、瞳被告に懲役3年の実刑判決を言い渡していましたが量刑が不当などとして、それぞれ控訴していました。

広島高裁の畑山靖裁判長は判決で、和弘被告に対し「独善的な考えに基づき、瞳被告の犯行を主導した」。瞳被告に対して「指示されるままに母親としてあるまじき行為に及んだ責任を軽く見ることはできない」と指摘しました。その上で「同種事案の量刑傾向から逸脱しているとは言えない」として、一審の判決を支持し、控訴を棄却しました。

弁護側は記者団の取材に対し「上告については検討中」とコメントしています。