初任給の大幅アップ 各バス会社も人材確保へ採用を活発化

なんとか運転手を確保しようと、県内のほかのバス会社でも採用に向けた動きが活発化しています。
広島市の中心部を走る広島バス。通称「赤バス」です。
広島バス 労務課 宮森雄太 さん
「なかなか採用が厳しい状況で近年、かなり減少傾向にあります。昨年と比べたら10人以上は減っている状況です。今いる運転手の方に公休出勤、休日出勤をお願いして欠員をまかなっている状況です」
広島バスでは現在、20人程度運転手が不足しています。平均年齢は50歳を超え、運転手不足は今後も続く見込みです。そこで運転手を確保すべく、初任給を大幅に引き上げることにしました。広島バスでは、3月から初任給を3万4500円アップ。
広島県内では広島電鉄でも、バス運転手の基本給を4月から1万3500円引き上げました。

広島バス 労務課 宮森雄太 さん
「ここ最近、1~2週間前ぐらいから応募の連絡をいただくようになりまして、本日(取材は4月3日)も試験させていただいたんですが、6名の方に来ていただきました」
ほかにも、バス運転手の業務内容についての見学会を毎月開催しているほか、バスの運転に必要な大型二種免許の取得費用を会社が負担するといった取り組みを行っています。地域のインフラを守れるのか。バス会社の模索は続きます。
◆広島県内のバス路線にも影響が…
県内では3月から4月にかけてバス運転手不足などもあり、バス路線の減便や廃止が相次ぎました。
広島バスセンターと広島大学を結ぶ「グリーンフェニックス」や、広島バスセンターから呉市を経由して大﨑下島を結ぶ「とびしまライナー」は赤字などもあり、3月末で路線が廃止となりました。
減便によって最終バスにも影響があり、広島市中心部から安佐南区の毘沙門台に向かうバスは、平日ダイヤでもともと深夜1時前に中区の紙屋町バス停を出発していましたが、広島バスセンターを夜10時前に出発する便が最終となり、約3時間最終便が繰り上がりました。
ほかの路線にも影響が出ています。主な路線は以下の通りです。
・広島交通
「広島市街~可部・勝木/大林方面」
「広島市街~高陽・深川方面」
「広島市街~旧道~春日野/安佐大橋方面」などが減便
・広島電鉄
「上根・吉田線(広島市街~吉田)」
「熊野線(広島市街~熊野)」が減便(沿線人口・バス利用者数の減少のため)
・中国ジェイアールバス
「西条線(呉駅~西条駅)」が減便
・芸陽バス
「八本松駅~西条駅線」
「三原~竹原線」などが減便
・中国バス
「多治米車庫線(福山駅~多治米車庫)」などが減便
・鞆鉄道
「三成線(松永駅北口~三成)」
「福山大学線(福山駅~福山大学)」などが廃止
・高速バス
「フラワーライナー(広島~尾道・因島)」
「新広益線(広島~戸河内~益田)」などが減便