ふるさと納税について、返礼品の代わりにキャッシュバックをする、東京都内の会社が始めたサービスが2日で中止になったり、北海道では返礼品の高級ウニの産地偽装が発覚したりと全国各地でトラブルが相次いでいます。

こうした中で、自治体の返礼品は掲載しているものの、割引きや値引きの言葉を強調することに加え、自治体の住所や連絡先がない「偽サイト」も相次いで確認されています。国民生活センターによると2021年度からこれまで、全国で少なくても10件の相談が寄せられているということです。

大分県別府市で自動車の買取や整備、また、酒類の販売など事業を幅広く手掛けている会社「ビッグディッパー」も偽サイトを作られ、経営者は「詐欺行為は許せない」と憤りの声をあげています。

■ 返礼品は開発まで10年 大変な思いで作った商品

(ビッグディッパー・稲葉朗社長)
「これはサイドカーなんですけど、クラシックのオープンカーを使ってサプライズの演出事業をやっています」

サイドカー


コロナ禍でイベントがなくなり、窮地に立たされましたが、県の経営革新制度に承認され、開発したのが光るグラス「Bacada!」と、光るスパークリングワイン「DonDake~」。食卓を華やかに彩るアイデア商品です。


2022年3月から別府市のふるさと納税の返礼品に選ばれ、人気となっていますが…

(稲葉社長)
「(偽サイトを見て)僕が見てもうちのサイトよりよくできているくらい細かい。写真とかも全部完全にコピー」

取り引きした覚えのないネットサイトがこの商品を販売しているというのです。いったいどういうことなのでしょうか。

偽サイトには正規サイトと同じく、販売価格5万円の掲載はあるものの、そのすぐ下に特価として3万6000円と表示されています。

偽サイトには特価36.000円の表示


被害に気づいた稲葉社長が警察に相談した結果、一部のサイトの発信元が海外になっていて、追跡できないことが発覚。また偽だと気付かれれば閉鎖し、新たなサイトを作るといったいたちごっこが続いているというのです。

(稲葉社長)
「(偽サイトには)早く購入してくださいと書いているけど、最近、37万7985名がこの商品を購入しましたとあり、金額にすると136億円。ありえない」

偽サイトには購入をあおるコメント掲載


一方、別府市も調査を進めていて、今のところ被害は確認されていないものの、寄付にはならないといいます。

実際に偽サイトに載っていた番号に電話をかけてみると…。「株式会社〇〇ですか?」「いえ違いますけど」つながったのは全く関係のない実在する会社。こちらの会社も私たちの取材で、企業情報を悪用されている事実に気づき、困惑した様子でした。

業績が落ち込むなか、人生をかけて開発に漕ぎつけたという商品を悪用され、稲葉社長は犯行グループに憤りを感じています。

(稲葉社長)
「ここに至るまでに10年かかっている。本当に大変な思いで作った商品なので、詐欺グループに狙われている…」

「ビッグディッパー」 稲葉 朗社長


■ 偽サイトの見分け方は

では、巧妙につくられたこの偽サイト。どう見分けたらよいのでしょうか。

(県消費生活センター・村上美佳子さん)
「ふるさと納税でしたら、割り引きはあり得ないので、あまりに激安なものは気をつける。日本語表記がおかしいものもある。自治体の連絡先がきちっと表示してあるか確認することが大切」

寄付という善意を悪用したふるさと納税の偽サイト。利用すれば、お金だけ払って商品が届かない詐欺の可能性もあるため、注意が必要です。