人口減少で荒廃する竹林が増えているという課題を解決しようと、大分県内の大学生たちが中津市の竹林でタケノコを収穫・加工して販売する取り組みを進めています。そのタケノコが東京の伊勢丹新宿店で8日から期間限定で販売されています。
この取り組みは味の素が企画した「MIRAINOMOTO」プロジェクトの第1弾として、中津市と立命館アジア太平洋大学の学生団体を中心とする若者が去年から進めてきました。
今回は環境庁が提唱する6月の環境月間に合わせて、伊勢丹新宿店で学生たちが収穫したタケノコの水煮を販売するほか、店内のレストランでタケノコの特別メニューを提供します。

中津市では人口減少により荒廃した竹林が増えていて、農地にまで影響を及ぼすケースが出てきています。プロジェクトはタケノコを収穫することで竹林の荒廃を抑制しつつ、農産物という資源に変えていこうとしていて、今回は大分大学、別府大学、九州大学の学生たちも参加して中津市山国町の竹林で収穫を体験。地元企業の協力を得ながら加工作業も行いました。

販売開始にあたって伊勢丹新宿店を訪れた立命館アジア太平洋大学の若林快卓さんは「荒廃竹林が増えているということを学んだが、どうすればいいか考えるだけでは解決しませんでした。今回のプロジェクトに参加して実際に現場での収穫や商品化を経験したことで、課題は解決できるんだという実感を持つことができました。私たち学生の思いを多くの人に知ってもらい、食卓を楽しいものにしてもらいたいです」と話していました。
また、中津市の奥塚正典市長も応援にかけつけ「若い世代の皆さんに現場を見てもらえて非常に良かった。地方にはまだまだ隠された宝があるので、ぜひ全国の皆さんに知っていただきたい」とアピールしていました。
荒廃竹林対策の一手となる伊勢丹新宿店でのイベント、地下1階の特別販売スペースで試食・販売を実施しています。