スマートフォンを充電するためのモバイルバッテリーから発火する火災やトラブルが各地で発生しています。特に夏場は注意が必要で、安全に使うポイントを取材しました。

7月20日、東京のJR山手線の車内で、スマートフォンを充電していた乗客のモバイルバッテリーから出火し、5人が軽いけがをしました。

モバイルバッテリーの発火による事故は、ここ数年、全国的に増加しています。生活製品の事故を調査する独立行政法人NITEによりますと、毎年、気温が上がる6月から8月にかけて発生件数が増えているということです。

(街頭で)「モバイルバッテリーは出かけた時にはよく使いますが、あまり長時間使わないようにしています」「使っていると熱くなるので、扇風機の風を当てて冷やしながら使ってます」「落下したときに発火の恐れがあると聞いたので、車のダッシュボードなど熱くなる場所には置かないようにしています」

モバイルバッテリーが発火する主な原因はリチウムイオン電池に使われている電解液です。温度が高くなりすぎると電解液が気化し、容器が膨張して破裂。発生した火花で本体が発火します。特に注意が必要なのは、急激に温度が上がる駐車中の車内です。

JAF大分支部によりますと、7月の良く晴れた日の正午過ぎ、車内温度を測定したところ、10分後のダッシュボードの温度は55度に達し、急激な温度上昇が確認されました。

危険を回避するためには、何よりもバッテリーを車内に放置しないことが大切です

(JAF・生野直樹さん)「日陰だから大丈夫ということはなく、車内が高温になります。バッテリーが付いているものは非常に危険な状態になるので、基本的には車内に置かないほうが安全です」

また、NITEではバッテリーが異常に熱を帯びている時は充電を中止し、水の中に入れるなどの対応で発火を防いでほしいと呼びかけています。

モバイルバッテリーは日常生活で便利なツールだけに、正しい知識を身につけて使うことがトラブルを防ぐ最善策です。