リーグ戦3分の1を終えてJ2・11位につける大分トリニータ。攻守の形ができつつあるなか、監督とキーマンに手応えを聞いた。
J2・3年目のシーズンを戦うトリニータ。ゴールデンウィークの3連戦はアウェイで連勝。ホームでのバトルオブ九州では2位・長崎から勝ち点1をもぎ取り、2勝1分で終えた。
リーグ戦38試合中14試合を戦い3分の1を過ぎた。5勝4敗5分の11位だが、4位・いわきとは勝ち点差3と上位に食らいついている。
(片野坂知宏監督)「アウェイで連勝して負けずに終われたのは悪くない。3連戦では最後までハードワークして戦う姿勢でやってくれたことが良い結果につながった」

片野坂監督は今年、J1昇格に向けて「60得点以上40失点以内」を掲げた。3分の1で考えれば「20得点13失点」で現状は14得点13失点。守備について片野坂監督は、開幕からゴールを守り続けるGK32濵田太郎を中心とした粘り、そして昨年多かったセットプレーの失点が減ったと評価している。
しかし得点数はリーグ14位であり、シュート総数はリーグワースト3位、枠内シュート数にいたってはワーストと課題が数字に表れている。
(片野坂知宏監督)「どういう奪い方をするか、そして奪った瞬間、相手の陣形が整う前に攻め切ることが大事。ゴール前に関わる選手たちがどれだけ質を意識して足を振っていけるか。」
監督が「悔しい戦いだった」と振り返る第11節、0対2のスコアで敗れたいわき戦以降はシュート数を増やし、チャンスを何度も演出している。MF梅崎司や、MF野村直輝、MF茂平といった面々が戦列に復帰したことが大きい。
中でも野村は第12節熊本戦でスタメンに復帰するとさっそくゴールを決めた。
チームの攻撃面には手ごたえを感じているという。
(MF野村直輝)
「やっと体がケガする前の感覚に戻ってきて自分らしく動けています。中盤のポジションを変えたり背後を取る選手が左右非対称に位置取りして相手が掴みにくいようにやれているのが要因の一つ」

スルーパス数はリーグトップ、チームでも最多アシストのゲームメーカーは「あとは最後の質だけ」と語る。
(野村直輝)「試合をこなすにつれて若い選手も慣れて自信持ってやれているので良い効果が出てきている。試合でも自分の思い通りにシュートを打てるかパスを出せるか。練習でも試合のように、やるのは難しいけどイメージし尽くすのが大事です」
そう話す野村のヘアバンドやソックスはオレンジ一色。次節の愛媛FCをイメージしているのだろうか。
「今年のラッキーカラーがオレンジと聞いたのでパンツもオレンジ買ったり(笑)
きょうもTシャツオレンジ着てきました(笑)」
相手にとらわれず己を最大限に発揮するためのオレンジだった。次節は、と聞くとハッとした顔をして「愛媛をイメージしてます」と笑ってから愛媛戦への意気込みを語った。
(野村直輝)
「連戦を負けずに勝ち点を積めて自身を持ってやれている。ホームで勝ててないのがみんな引っかかっているので、勝ってみなさんと喜びを分かち合ってさらに勢いづけていけたらよい」
3戦負けなしで迎えるレゾナックドーム大分での連戦。ホームでの勝利は3月20日の鹿児島戦以来遠ざかっている。2か月ぶりに湧き上がる大分のスタジアムを演出するのは野村に違いない。