554・515・289・201、こちらの数字、何を表している数字だと思いますか? この数字は去年、大分県内で発生した刑法犯およそ3000件のうち、特に発生の多かった犯罪の件数です。最多の自転車盗難は前の年から128件増加し、全体の2割近くを占めています。

自転車は通勤や通学など、日常生活に便利な乗り物ですが、全国的に自転車の盗難被害が増加傾向にあります。被害にあわないためにツーロックが呼びかけられている中、鍵のかけ方のポイントを取材しました。
(県警察本部 安全安心まちづくり推進室・高橋直樹室長)「新型コロナウイルスの感染拡大が緩和されて、人流の増加が見込まれ、それによって自転車窃盗が増加したと思われます」
県警によりますと、県内では去年、前年に比べて128件、自転車盗難の被害が増加しました。このうちカギをかけていない自転車が盗まれるケースが全体の4分の3を占めています。通学などで自転車を使う機会が多い、高校生や中学生も被害に遭っています。こうした被害防止に効果的な方法のひとつが自転車に備え付けの鍵に加えてもうひとつ鍵をかける「ツーロック」です。


(利用者)「基本ツーロック(二重で鍵かけ)をして盗まれないように気を付けています」「親からツーロックをしてないと盗まれるよと言われる」「もうひとつ鍵を買おうと思いつつ、買っていない」「鍵は一個しておけば大丈夫だろうと思ってしまう」
ツーロックについて、こういった自転車利用者の声が聞かれる一方で、実際に駐輪場に行ってみました。場内を見回すと多くの自転車に、鍵がかけられていましたが、二重で鍵をかけているものは多くないようでした。中には錠をかけていない自転車もありました。

また、ワイヤー錠があるのにつけていない、鍵を挿したままにしている自転車もありました。
大分市にあるサイクルショップコダマでは自転車と一緒にワイヤー錠を購入する人がここ数年増えてきているといいます。コダマでも盗難防止策として、ツーロックを呼び掛けていますが、効果を高めるため、ロックの方法をアドバイスしてくれました。
(サイクルショップコダマ・野尻浩一店舗統括部長)「後輪だけに鍵をかけると後輪は動かないが、前輪が動くので抱えて持っていかれてしまう」
駐輪場内でもツーロックされている自転車の多くは、前後どちらかの車輪に鍵が、ふたつかかっている状態でした。備え付けの鍵に加えて、もう一方の前輪または後輪をワイヤー錠で柵や車輪止めに固定すると車輪が動かせず、盗難防止の効果が高まります。

進学や学生の春休みシーズンは長期間駐輪されることもあって毎年、自転車の盗難が増加することから、特に注意が必要です。
(県警察本部安全・安心まちづくり推進室高橋直樹室長)「4月から自転車通学を始める方もいると思います。その際は急いでいても、盗難に遭わないようにしっかりと鍵をかけてほしい」