50年以上前、食用油に混入したダイオキシン類を摂取したカネミ油症被害者の子や孫への健康影響が少しずつ明らかになってきました。
全国油症治療研究班は12日『歯の欠損』を訴える次世代が多いとして今後解析を進めていく方針を示しました。

12日、福岡市で開かれた油症対策委員会──

国の予算で、2021年からカネミ油症認定患者の子と孫の調査を進めている全国油症治療研究班の辻班長は『何らかの健康影響がある』との認識を改めて示した上で、これまでの聞き取りで16人が回答した『歯牙欠損』について解析を進めていく方針を示しました。

認定患者の次世代については、既に『出産時の早産』と『低体重』さらに先天性の『口唇・口蓋裂』の発生率が高いと認定されています。
さらに辻班長は患者の診断基準になっている『血中ダイオキシン類濃度』について、次世代の濃度は一般と差がなく「指標にならない」との考えを示しました。

その上で、今後、次世代の症状について一般との比較を進め、診断基準の改定につなげていきたいとしています。