アメリカの核の傘の下にいる国の一つ、ドイツの外務大臣が10日、長崎原爆資料館などを訪れ、被爆者と懇談しました。


長崎を訪れたのはドイツのアナレーナ・ベアボック外務大臣です。

ドイツは、アメリカの核の傘に安全保障を頼るNATO=北大西洋条約機構の加盟国で、核兵器禁止条約に賛同していませんが、先月開かれた締約国会議にはオブザーバー参加。条約参加国との建設的な対話を約束しています。


ベアボック外務大臣は原爆資料館を見学したあと、長崎被災協の田中 重光 会長らと懇談しました。


長崎原爆被災者協議会 田中 重光 会長:
「私の孫の一人は、横隔膜欠損で肺が20%しか成長していなく、手術をしましたが、3日後に亡くなりました。長男も難病にかかって大きな手術をしています」


およそ20分間にわたって田中さんと言葉を交わした大臣は「核兵器はこの世から姿を消すべきだと思っている。その課題に対してつとめを果たしたい」と述べました。

田中 会長:
「真剣にね、ほんとに聞いて頂いたと思います。アメリカの核の傘の下にあっても、核廃絶に向けて話し合いをしていくということは、非常に貴重なことだと思います」


手を取り合って ”核兵器のない世界” を目指す、という強い想いを胸に、長崎原爆資料館を後にする──
と、芳名録に記したベアボック外務大臣。


被爆地の思いがドイツに広められることが期待されます。