核兵器禁止条約に参加していないNATO加盟国のひとつであるドイツのベアボック外務大臣が、今月10日に長崎原爆資料館などを訪問し、被爆者と面会することになりました。

長崎市によりますと、ドイツのアトレーナ・ベアボック外務大臣は今月10日、長崎原爆資料館と国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館を訪れ献花するほか、被爆者と面会する予定です。

NATO=北大西洋条約機構の主要国であるドイツは、アメリカの核兵器を配備する「核の傘国」のひとつで、核兵器禁止条約にも参加していません。

しかし連立政権としては「核兵器ゼロを目指す」と公約に掲げており、先月ウィーンで行われた核禁条約の第一回締約国会議にはオブザーバーとして参加、条約に加盟しない立場を示しながらも、核保有国と非保有国の間で「対話や率直な議論が必要だ」と発言しました。

今回の訪問の理由は明らかにされていませんが、来月、核保有国も参加して行われるNPT=核拡散防止条約の再検討会議を前に、被爆地長崎から核兵器の非人道性を世界に発信する貴重な機会となることが期待されます。