学校給食などを手掛けている広島市の企業が突然、営業を停止し破産手続きに向けた準備に入ったことで、長崎県内の一部の学校にも影響がでています。

営業を停止したのは広島市に本社をおき、全国のおよそ150施設で学校の給食事業などを行っている「ホーユー」です。
食材などの価格高騰で経営環境が悪化したため営業を停止し、破産手続きの準備を進めています。

ホーユースタッフがボランティアで…複数の学校が対応苦慮
長崎県内では長崎日大中学・高校が寮の食堂やカフェテリアの運営を委託していて、学校では現在、別の業者に運営を変更することができないか調整するなど、対応を迫られているということです。

このほか、県内の別の学校では、ホーユーのスタッフがボランティアで調理を行い、食事の提供を続けているということで、今後の対応を検討しているということです。
「ビジネスモデル自体がもう合わない」ホーユー山浦社長

給食や寮の食事、学食などを手掛けるホーユーの山浦社長は、今回の事態についてJNNの取材に対し「食材や光熱費、最低賃金なども上がっている中で、今の給食や学食は正直、一般常識では考えられない状況」としています。
広島の学食の例を挙げ「かけうどんが未だに150円程度。冷凍めんはコロナ前で28円だったのが、今は大体80円。それで150円の価格設定をして、人件費や光熱費を払ってできますか? ビジネスモデル自体がもう合いません」と話しています。
材料によっては倍「ちゃんぽん出せない」材料費高騰に耐える運営業者
物価高騰が続く中、ホーユーのように長崎県内で学食を運営する業者は、現状をどう捉えているのでしょうか。


長崎女子高校では今年1月、学食のメニューのほとんどが値上げされましたが、それでも高くて420円。
運営する業者は、物価高騰の波に耐えながら、子どもたちの食を支えています。

シダックスコントラクトフードサービス長崎女子高店 中村 基史さん:
「厳しいです、厳しいです。もちろんです。
どんどんどんどん上がってますもんね…コロナの前は(鶏もも肉が)2キロで冷凍で800円ぐらいがだったものが、今は1,600円とか1,800円ですもんね。
300円でちゃんぽんを出していたんですよ。ですが、もう今は出せません。
あれだけの材料を使ってやると、300円とか330円では、とてもじゃないけど無理です。
全て値段が学校との協議という形になるので、それをこちらが勝手にやることはできない…だから、その範囲内でやるしかない。
世間の相場がそうであれば、どうしようもないっていうところはあるんですけどね」
一般の飲食店などと違い、原材料費などが上がっても簡単に値上げできない中で、この物価高をどう乗り越えていくのか、大きな課題となりそうです。