ウクライナで30年続けた養蜂業を手放し、新たなビジネスを検討

アレックスさんと同じ寮に祖父・オレクさんと祖母・ナターシャさんも住んでいます。
2人とも去年からハウステンボス内のレストランで働いています。
この春2人はウクライナに一時帰国しました。
軍事侵攻の影響で現在、日本からの直行便は無く、フィンランド・ポーランドを経由して、バスでウクライナに入りました。

オレクさん:「この家に住んでました」
久しぶりに見るオレクさんの自宅。
ロシアによるミサイル攻撃などの影響はありませんでした。

オレクさん:「こんにちは、山口さん(※記者)」

ウクライナでは養蜂業を営んでいたオレクさん。
避難する際に残してきたミツバチは無事でした。
しかし、ウクライナ軍が今月から反転攻勢に出るなど、戦闘は長期化の様相をみせています。
ウクライナに戻れる見通しが立たないことから、オレクさん夫妻はある決断をしました。

オレクさん:「ミツバチの売却先を探している。30年以上飼っているのに残念」

ナターシャさん:「今の状況では少なくとも2~3年は帰れそうにないから」

料理が得意なナターシャさん。
去年は大学の学園祭で、手づくりの“ピロシキ”を販売し好評でした。
日本での生活が長期化する中、オレクさんは日本で商売を始めることも考えています。

オレクさん:
「妻の料理を販売したり、家族ぐるみで何かビジネスができないか、考えている」
ナターシャさん:「私がもっと若かったらよかったけどね(笑)」
一方のアレックスさん。
当面の目標は“日本の大学への入学”ですが、最近はスペイン語への関心もあり、将来は観光関連の仕事につきたいと思い始めています。

アレックスさん:
「ツーリズム、旅行のこと、ホテルの事を勉強したい、大学で。
英語できる。ウクライナ語、ロシア語できる。だから翻訳の人にもなりたい」

ウクライナに戻れない状況が続く中、日本で見つけた新たな目標を胸に、アレックスさん家族の佐世保での生活は2年目に入ります。