唯一の長崎刺繍職人が手がけた新作 完成までの道のり
衣装の制作が始まったのは2019年でした。

現在ただひとりとなった長崎刺繍職人、嘉勢照太さんは、この時67歳。


嘉勢さんは「生涯最後の大仕事」として図案から制作まですべてを1人で担うこの仕事を引き受けました。

長崎刺繍職人・嘉勢照太さん「せっかくのチャンスですからね、いい物作りたいですけど」

制作開始直後に新型コロナの感染が拡大―。奉納踊りは3年間中止となりました。しかし嘉勢さんの仕事は日々、人知れず、進んでいきました。


立体感が特徴と言われる「長崎刺繍」。縫いの工程は和紙で使った「こより」で図案を浮き上がらせることから始まりました。

縁取った図案を綿で埋めていくことで思い描く形を作っていきます。



そこに金糸をはわせていきます。1本、また1本…同じリズムでとめられた糸は次第に「金の布」のような…「金のオブジェ」のような光を放ち始めます。

長崎に住んでいた唐人から伝えられたとされる長崎刺繍。


今は、くんちの中にかろうじて残る繊細でダイナミックな世界で長崎にしかない輝きです。









