100年前から受け継がれる「安全のバトン」

この一連の決まりは『軌道運転規則』で単線区間に入る際に定められたルール(通票式)。

通常のダイヤで単線区間に複数車両が入ることはないが、10年程前までは運行間隔が今より短く、乗り降りのタイミングで前の車両に追いつき、複数台が一緒に単線区間に入ることがあったという。

また今も、年に2回の新人研修や修学旅行、撮影などで使われているという。

永野さんと菊田さんによると、昭和初期あるいは明治時代の鉄道から続くとみられる、歴史ある安全システムなのだそう。

私たちが普段何気なく乗っている路面電車。その裏側には、デジタル化が進む現代でも、人の手と目によって受け継がれる「アナログで確実な安全のバトン」が存在していた。

【緑色縁の白色円板】
速度規制の「解除標識」。路面電車は最高速度40キロだが、カーブの度合いによって速度は制限されている。長崎電気軌道オリジナル。

【赤色縁の黄色円板】
単線に入る際に掲げなけばならない「続行標」。後続車両がいることを示す。軌道運転規則で定められている。