総理大臣就任後初めて長崎の平和祈念式典に出席した石破総理は式典後、被爆者らと面会しました。しかし被爆体験者の救済や核兵器禁止条約の署名・批准などに向けて具体的な進展はありませんでした。

平和祈念式典の後、石破総理は長崎原爆資料館を訪問。は鈴木長崎市長らと共に被爆した長崎の惨状や原爆の熱線による被害の展示などを見学しました。

石破総理はその後、被爆者4団体の代表と面会。被爆体験者の被爆者への認定や核兵器禁止条約への署名・批准を求めることなどが盛り込まれた要望書を受け取りました。

長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会 川野浩一議長「何とかこれ以上問題を長引かせず、早急に私はその成果を国に要望したい」

これに対し石破総理は核兵器禁止条約ではなく、核保有国と非保有国が参加するNPT=核拡散防止条約の体制の下で核軍縮を進める従来の考えを示しました。

石破総理大臣「核を持っている国も参加しているNPTの場において、いかにして核軍縮を進めるかということを具体的に成果として出してまいりたい」

長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会 川野浩一議長「中身としては抽象的な回答でちょっと残念」

長崎原爆被災者協議会 田中重光会長「核兵器禁止条約、これについても橋渡しをすると言ってますけど何にもしてないですよ」

面会の場には、去年に続き被爆体験者の岩永千代子さんが同席しました。しかし今年は発言の機会が設けられず、代わりに岩永さんは手紙を持参しましたがそれを読む時間もありませんでした。

第二次全国被爆体験者協議会 岩永千代子会長「これは(放射性)微粒子の問題じゃないんですか?って。だから内部被爆としてね汎発性疾患で苦しんでいった人…その思いを共有したかったんです。国民の悲しみ、訴えを真摯に聞き取って下さること。これが平和に繋がると思います」

石破総理は被爆体験者の救済について、去年新たに始まった国が被爆者と同等の医療費助成を行う事業を着実に実施すると述べるに留まりました。