2012年に長崎県対馬市の寺から窃盗団によって盗まれ韓国に持ち込まれた仏像について、24日午前、韓国で「対馬市に引き渡す」書類上の手続きが行われました。さらに、韓国の寺が希望している100日法要のため、一時的に韓国側に貸与する手続きも行われました。仏像は法要後、5月下旬に対馬に戻ってくる見通しです。
対馬市提供「観世音菩薩坐像」
観世音菩薩坐像の引き渡しに関し、対馬市長がコメントを発表しました。
「盗難から12年以上が経過し、早期返還を求めている中で、このような経過を経て、私たちの大切な文化財が地域に戻ってくることを大変嬉しく思っております」令和7年1月24日 対馬市長 比田勝 尚喜
対馬市提供
長崎県対馬市の観音寺から盗まれた「観世音菩薩坐像」は2012年10月、韓国の窃盗団によって、海人神社の「銅造如来立像」と共に盗まれました。「銅造如来立像」は2015年に返還されましたが、「観世音菩薩坐像」はまだ戻されていません。
対馬市提供
韓国の浮石寺(プソクじ)は「観世音菩薩像」について、「中世に日本の海賊=倭寇が強奪したものだ」として所有権を主張。盗品として保管している韓国政府に引き渡しを求めていましたが、2023年10月、韓国の最高裁は「観音寺に所有権がある」との判決を言い渡しました。