被爆者認定を求めて裁判を起こしている被爆体験者は28日、被告である長崎県も「共通認識を持っている」として裁判所に和解を求める上申書を提出しました。

和解を申し入れたのは、長崎県と長崎市を相手に被爆者認定を求めて係争中の被爆体験者です。

被告である県が「長崎でも広島同様、原爆由来の雨が降った」と認定し、国に被爆体験者の救済を求めたことを受け、「原告、被告ともに共通認識を持った」として『裁判所が主体となって和解条項を提示』するよう申し入れました。

被爆体験者訴訟 弁護団 三宅 敬英 弁護士:
「県や市は(共に)”被爆地と認めてもらう活動”をしてきたということもあって、こういう証拠を出してきたこともあると思うんですが、”被爆者である” という事は争いのない事実として認めてもらって、一刻も早く原告たちを救済してもらいたい」

被爆者手帳を交付するのは ”県と長崎市” です。
しかし県・市は『法定受託事務』であるとの理由から、国の方針に従っており、救済を求めながらも裁判で争う 矛盾した立場を取っています。

原告(被爆体験者)のひとり 濵田 武男さん(82):
「我々は年取ってるんです。限界なんです。現場の市長と知事の権限が一番なんですよ。大事な事。ここで決着してもらわないと、国は『絶対にやりたくない』その姿勢は変わってないんです。葬ろうとしてるんです」
国に対し「被爆体験者を救済すべき」との立場を明確にした県と長崎市が、どう対応するか注目されます。