春の山を彩る「ミツバツツジ」。実は種類を見分けるのが非常に難しい花でもあります。
そんな「ミツバツツジ」を50年にわたって研究してきた男性が集大成となる図鑑を出版しました。
身近な花の奥深い世界に迫ります。

(宮崎植物研究会 南谷忠志顧問)
「枝先に葉っぱが三つ出ます。それで『ミツバツツジ』というんです。」

宮崎植物研究会で顧問を務める南谷忠志さん(85歳)。「ミツバツツジ」に魅了され、半世紀になります。

この日、向かったのは都農町の尾鈴山です。

(宮崎植物研究会 南谷忠志顧問)
「これね、『ウラジロミツバツツジ』と言って、尾鈴山の周辺にしか見られない植物です。だから、宮崎県の特産種と言える植物なんですけどね」

国内ではおよそ40種類、県内では11種類が確認されているミツバツツジ。

こちらは「ウラジロミツバツツジ」です。

(宮崎植物研究会 南谷忠志顧問)
「『ウラジロミツバツツジ』の『ウラジロ』が何かというと、葉っぱの裏に腺毛というのがあって、やがてワックスを分泌します。真っ白になるんです」

古くから農作業の目安とされるなど、人々に親しまれてきた「ミツバツツジ」。
しかし、一般的には、ひとくくりに「イワツツジ」と呼ばれることが多く、種ごとの名前で呼ばれることはほとんどありません。

それもそのはず。
「ミツバツツジ」は花だけで見分けるのはほぼ不可能。

果実や葉まで細かく観察する必要があり、詳しい判別方法が分かる図鑑もありませんでした。

そこで、南谷さんは

(宮崎植物研究会 南谷忠志顧問)
「日本がミツバツツジの宝庫であると世界で一番多いわけだから、それを知ってもらうためには、わかりやすい図鑑を作るしかない」

完成した図鑑には、南谷さんが自ら発見した新種16種を含む、41種と51の雑種を掲載。
種類を見分けるための実の形や葉の裏側などの写真を細かく載せ、誰でも見分けられるよう工夫しました。

(宮崎植物研究会 南谷忠志顧問)
「皆さん開いてもらえればわかってくると思うんで、もうイワツツジとかミツバツツジじゃなくて本当の名前で呼んでくれるんじゃないかと思ってますがね」

50年、一歩一歩、山を歩き続けてきた南谷さん。この一冊には、植物への深い愛情が詰まっています。