国の特別天然記念物トキの能登での放鳥に向けてロードマップ案が示されました。
石川県は700ヘクタールにも及ぶ餌場や、巣を作るための営巣箇所を20か所確保するなどの計画案をまとめました。

石川県は早ければ、2026年度のトキの放鳥に向けて、宝達志水町より北の9つの市と町にモデル地区を選定し、環境整備を進めています。17日に開かれた専門委員会の会合では、生息環境と社会環境の整備、地域活性化など4つの事業を柱とした放鳥への具体的な計画(ロードマップ)案が示されました。トキの餌場としては能登地区での水稲作付面積の7%にあたるおよそ700ヘクタールを確保するとしていますが、大きな課題も残っています。

「モデル地区を全部を足し合わせると60ヘクタール。取り組みをマニュアルにしてもらい民間での提案が若干あるのでそういったことを来年度実証させてもらおうと思っている」(県生活環境部:竹沢淳一部長)

また委員からは、ことし6月からスタートするトキのエサとなる田んぼの生き物調査について、高齢化を理由に農業従事者の負担を懸念する声も聞かれました。丸山利輔座長は「実際にやってみるとなかなかこの通りにいかないことが多いので途中で何回か軌道修正していかないといけない。大筋はこれで間違いない」と話しています。トキの放鳥に向けたロードマップ案は委員会で了承されたことから、県では調整を行ったうえで3月中の公表を目指すとしています。