「検察なめんなよ」検察の取り調べの是非が問われている裁判で、当時、捜査を取り仕切っていた主任検事は取り調べの録音録画について「部分的にしか見ていなかった」などと証言しました。

(検察官役の指定弁護士)「報告メモに取り調べ官が『机を叩き、大声を出す』と?」
(蜂須賀三紀雄検事)「あったと思う」
(検察官役の指定弁護士)「どう思いました?」
(蜂須賀三紀雄検事)「初めて認識しましたけども、それ以外の記載部分含めて(検察内で)問題ないと位置づけられていたのでそう判断したのかなと」

証言台に立ったのは当時、不動産会社「プレサンスコーポレーション」と学校法人の土地取引をめぐる巨額横領事件の捜査を取り仕切っていた蜂須賀三紀雄検事(53)です。

【取り調べの様子】
(田渕大輔検事 2019年12月)「変えてるじゃないか!思い切り変えてるだろうが!変えてるだろう!検察なめんなよ!命懸けてるんだよ、俺たちは。あなたたちみたいに金をかけてるんじゃねえんだ。かけてる天秤の重さが違うんだ、こっちは」

この裁判は2019年、「プレサンスコーポレーション」などの事件の捜査で当時の社長・山岸忍さん(63)の部下に対し、恫喝的で侮辱的な取り調べをしたとして、元大阪地検特捜部の田渕大輔検事(54)が、特別公務員暴行陵虐の罪に問われているものです。

部下の男性と山岸さんが逮捕・起訴され、部下は有罪となりましたが、山岸さんは無罪が確定しています。

これまでの裁判で田渕検事は「陵虐の意図は全くありません」と無罪を主張。

検察官役を務める指定弁護士は検察組織全体の問題だと指摘、「裁判所がこの行為を犯罪と判断するかどうかで、警察と検察を含め取り調べの在り方が根底から変わる」と主張しています。

8月24日に行われた3回目の公判では当時捜査を取り仕切っていた蜂須賀検事の証人尋問が行われました。

検察官役の指定弁護士が取り調べの録音・録画を見たか尋ねると…

(蜂須賀三紀雄検事)「断片的・部分的にしか見ていない。物理的に視聴する時間がないのと、弁護人から不服の申し立てがあれば必ず見るが、それがなかった。(審査役の)検察官もチェックしていた」
(検察官役の指定弁護士)「今回問題となった場面がどこかあなたはわかっていますか?」
(蜂須賀三紀雄検事)「その当時は見ていない」

さらに上司や上級庁と情報を共有していたかと問われると…

(蜂須賀三紀雄検事)「積極的に相談したという場面は思い浮かびません」
(検察官役の指定弁護士)「それは主任検事として正しかったですか?」
(蜂須賀三紀雄検事)「正しいか正しくないか、答えがたい」

検察の組織的なチェック機能は働いていたのか。次回は弁護側の冒頭陳述などが行われる予定です。