無痛分娩は増加傾向に リスク含め納得感ある選択を

無痛分娩中に起きた今回の事故。無痛分娩は、陣痛や出産の痛みを和らげることから、産後の回復が早くなるほか、持病がある妊婦らにとっては、出産をめぐる心や体への負担を軽くするなどのメリットがあります。
一方で、無痛分娩では麻酔の影響で陣痛が弱まったり「いきみ」にくくなったりして分娩が長引く場合もあります。そのため、子宮の収縮を促して分娩を進める陣痛促進剤が使用されるケースが多くなっています。
ただ陣痛促進剤は、過去に母体の子宮破裂につながったなどのケースが報告されていることから、投与後に妊婦や胎児の状況や経過を確認するとともに、妊婦や家族がリスクも含めて納得したうえで使うことが大切だと指摘されている薬剤です。
しかし遺族は、「今回の事故ではこうした基本的なルールが守られていなかった」として、担当医師を刑事告訴しました。医療事故を刑事事件として立件することには高い壁があるという現状を理解しながらも、再発防止のために自分たちの経験を伝えたいと考えたといいます。
取材したMBSの齊藤初音記者は「分娩事故を含む医療事故というのは証拠が揃わず、刑事でも民事でも泣き寝入りをするパターンが多い」と指摘。そのうえでAさんたちが、刑事告訴に踏み切った背景については「別の遺族と話し、互いの胸のうちを知るなかで、より多くの人に自分の身に起きたことを伝えたい」という気持ちが強くなったと説明しました。
すべての分娩に占める無痛分娩の割合は年々増加しています。出産の形の選択肢が増えるなか、それぞれの選択肢についてリスクも含めた正しい知識を知り、それぞれが納得感をもって選択していくことがこれまで以上に求められているといえそうです。














