京都大学がキャンパス周辺に立てられた看板、通称“タテカン”を撤去したのは表現の自由の侵害だとして、京都大学職員組合が大学と京都市に550万円の損害賠償を求めた訴訟。

最高裁は今月9日、組合側の上告を退ける決定を下しました。これにより、組合側の敗訴が確定しました。

■京大名物「タテカン」撤去と提訴の経緯

かつて京大のキャンパス周辺に置かれていた色とりどりの立て看板、通称“タテカン”。

サークル活動の勧誘や学祭の告知など、様々な内容がユーモラスに描かれ、京大の名物となっていました。

しかし、2017年、景観維持のために屋外広告物を規制する条例に違反するとして、京都市が京大を行政指導したことを受け、京大がタテカンを撤去。

京大職員組合が「表現の自由」を侵害しているなどとして、大学と京都市に550万円の損害賠償を求めて提訴しました。

■一審・二審は「撤去は違法といえない」

一審の京都地裁は去年6月26日の判決で、「条例に基づく撤去は都市の良好な景観の維持及び向上を図る目的として合理的かつ相当な手段」などとして組合側の訴えを棄却。

今年2月26日の二審の大阪高裁でも、組合側は「伝統的に表現活動や人々の意見交換の場となってきた施設であることを前提に、可能な限り表現の場を確保するよう配慮すべきである」と主張しました。

一方で、長谷部幸弥裁判長は「広く一般の表現活動や意見交換の場となってきたとまで認めるに足りる証拠はない」と指摘。「撤去行為は円満な管理状態を実現する目的で行われた必要かつ相当な行為で、違法とはいえない」として、一審に続き組合側の請求を退け、組合側はこれを不服として上告していました。

■最高裁で判決が確定

最高裁第三小法廷(平木正洋裁判長)は、今月9日付の決定で、組合側の上告を退けました。

これにより、大学のタテカン撤去を適法とした一審・二審の判決が確定し、組合側の敗訴が決まりました。