
1992年に当時の西鹿児島と博多の間で運行が始まったJR九州の特急「つばめ」が今月15日、デビュー30年を迎えました。30年を記念して、当時、客室乗務員として勤務していた「つばめレディ」が集合する同窓会列車が初めて運行されました。

「あー!・・・お久しぶりです」
今月14日、JR鹿児島中央駅の構内に集まったのは、30年前、1992年7月15日に運行が始まった787系の特急「つばめ」で客室乗務員だった「つばめレディ」たちです。



当時の西鹿児島駅から博多駅をおよそ4時間で結ぶ特急列車としてデビューした「つばめ」。シルバーメタリックの重厚な外観で、車内には個室やホテルのラウンジをイメージしたビュッフェも完備。

「つばめレディ」は、案内業務や弁当や飲み物を販売しました。

その後「リレーつばめ」と名を変え、2011年の九州新幹線全線開業とともに鹿児島県内での運行を終了。同じ車両は現在、県内では、日豊本線で特急「きりしま」として運行されています。

■「懐かしいこの揺れ、この音ね」


デビュー30年を記念した同窓会には、県内外から集まった47人の「つばめレディ」と家族が参加。特急「つばめ」と同じ車両787系を改造した「36ぷらす3」を使って、鹿児島中央を出発し市来で折り返すおよそ2時間の旅です。

(車内にて)「懐かしいこの揺れ、この音ね。ビュッフェがね、楽しかったね〜」
車内では、当時の思い出話などが紹介され、特別な時間を過ごしました。
(1期生・7年勤務 大庭由紀子さん・鹿児島市出身)

「素敵な電車に生まれ変わった787系を拝見して、またみなさんともお会いすることもできましたので、とても感動しております」
(17期生・8年勤務 中村千賀子さん・薩摩川内市出身)

「つばめでの勤務は気分も違うし、楽しいなと思っていました、いつも。一期一会でいろんな方との出会いがあるので、すごく良かったなと今でも懐かしく思います」

客室乗務員は2019年に九州新幹線でも廃止され、県内の路線では現在、特急「指宿のたまて箱」のみで、JR九州は今後、主に観光列車で乗務を続けていくとしています。
(JR九州 古宮洋二社長)

「時代の変遷とともに客室乗務員の在り方も変わってきましたけど、この36ぷらす3をはじめとするD&S列車(観光列車)というのは、やはりお客様も客室乗務員のサービスをものすごく望んでいますし、わたくしどももそのサービスを中心に列車の魅力を高めていきたいと思っています」


鹿児島と博多を結ぶ列車の旅を支えてきた「つばめレディ」。乗務路線が変わっても、その思いは後輩たちに引き継がれています。
