鹿児島市・仙巌園前の国道10号のバス停の移設問題を巡り、新たな動きです。国から移設命令を受けていた県バス協会が、28日、移設に応じました。こうした中、移設に反対していた鹿児島交通が先ほど、バス停自体の廃止を発表しました。
(記者)「仙巌園前のバス停です。標識が撤去されず、こちらのバスの停留スペースが使えなくなっていましたが、きょう大きな動きがありました」

仙巌園前の国道10号では、国が去年3月、事故防止のために車道の一部を広げ、バスの停留スペースを新たに整備しました。しかし、県バス協会が停留所の移設に応じず、停留スペースは使えないままとなっています。

移設に反対しているのは鹿児島交通で、「停留スペースを移設すれば車線変更が増え、事故の危険性が高まる」と主張。これに対し、九州地方整備局は、県バス協会に道路法に基づく移設措置命令を出し、今月末の期限を前に、県バス協会は28日、標識の移転に応じると国側に伝えました。
28日、現場には県バス協会の関係者が停留スペースに臨時のバス停の標識を置いていました。従来の標識は早ければ今夜にも撤去されます。

こうした中、先ほど、鹿児島交通は、今月末で鹿児島市街地方向の仙巌園前のバス停を廃止すると発表しました。事故の危険性が高まることなどを理由にし、「苦渋の決断」としています。
「仙巌園前」発着の定期券を持つ利用客については、未使用の残りの日数分を払い戻す方針です。南国交通のバスは引き続き停車します。
突然のバス停廃止について、九州地方整備局には「鹿児島交通からの連絡は来ていない」ということです。