「大造じいさんとガン」に「マヤの一生」。鹿児島ゆかりの作家・椋鳩十の代表作です。

動物の姿を通して命の尊さを伝える物語を数多く残した椋鳩十は、きのう22日で生誕120年を迎えました。椋作品をテーマにした読書感想文コンクールには、今年も全国300人以上の子どもたちから感想文が寄せられています。

時代をこえて人々の心をつかむわけを取材しました。

「春霞みたいな温かいものを入れるような作品を書きたい」

椋鳩十は、1905年(明治38年)1月22日に長野県で生まれ、教員として鹿児島へ。県立図書館の館長も務め、1987年に82歳で亡くなるまで鹿児島で暮らしました。

姶良市にあった加治木高等女学校=今の加治木高校の教壇に立っていた昭和初期。世の中が戦争に向かっていく中、「戦争反対」につながる表現は、制約を受けるようになります。

失われていく命を目の当たりにする中で、「生きる美しさを表現したい」と椋鳩十が見出したのが、動物の生き方をテーマにした物語でした。