5年に一度の「和牛のオリンピック」鹿児島で来月開催

日本一の和牛を決める全共=「全国和牛能力共進会」が、来週から鹿児島県の霧島市と南九州市で開かれます。全国の予選を勝ち抜いたおよそ440頭が出場する5年に一度の和牛のオリンピック。県代表に選ばれた畜産農家には、ユニークな経歴の持ち主がいます。

県代表和牛を育てたのはちょっとやんちゃな雰囲気の藤山粋さん(47)

種牛の部、繁殖雌牛群の県代表に選ばれたのは、湧水町の栫正人さんの「やすこ」、霧島市の藤山粋さんの「てるはな」、霧島市の落合新太郎さんの「さき」の3頭です。
同じJA管内の雌牛を3頭1組で出品する部門で、地域で取り組んだ品種改良の成果や、3頭の体形の均一さなどが評価されました。

鹿児島県最終予選 8月


全国出場を決めた瞬間、だれよりも飛び跳ねて喜んでいたのは、藤山粋さん、47歳。5年前の前回の県予選では出場を逃し、悔しい思いをしました。

県代表に決まった直後にガッツポーズを見せていた




(藤山さん)「5年前は2位で涙をのんで、牛にここで写真撮らせてやりたいと思ってから5年たって、ようやく撮れるようになった」

出品牛の「てるはな」に愛情を注ぐ、藤山さんは、40頭の牛を育てる、繁殖農家です。

全国和牛能力共進会に出品する「てるはな」  マッサージはエステの手つきで



父親の経営を引き継いでおよそ20年。家族の手伝いをもらいながら牛の世話をしています。

(妻・美佐さん)「前回の県予選が2番目でダメだったので、すごく悔しかったみたいで頑張ってます。今回は特に」

妻・美佐さん(40)


畜産農家の藤山さんですが、本業は家畜の人工授精師です。繁殖農家の多い地元の霧島市福山町には、20年近く通っている牛舎もあります。

本業は人工授精師


(繁殖農家 福丸栄次さん)「本当に何もわからない時から来て、それでもいいから勉強になるからと(私の牛を)見るように言った」

(藤山さん)「ずっと辛抱して使っていただいて、最近ようやく『上手になったね』って言われるまで17年かかってますから」

個性的な髪形が目を引く藤山さん。父親の跡を継ごうと、畜産を学ぶため東京の大学に進学しました。しかし、その後ちょっと違う方向に…。

以前は歌舞伎町のホスト 現役時代はビジュアル系


ホストクラブでアルバイトを始めたところ成績がよく、新宿・歌舞伎町の店で社員に昇格。大学は中退し、およそ9年間ホストクラブで働いたあと、鹿児島に戻りました。