国は、2016年から陽子線治療の中でも「治療効果や安全性が認められた」一部のがん治療への保険適用を始めました。昨年度までに認められたのが8つ、小児がん、前立腺がん、すい臓がん、前立腺がん、大腸がん術後再発、骨軟部、頭頸部、肝内胆管です。

そして今月から保険診療が始まったのが、早期の肺がんです。およそ330万円だった治療費が、所得や年齢によって違いはあるものの、保険診療では110分の1となる3万円ほどまでに引き下げられます。

(鹿児島大学 医療保障専門・伊藤周平教授)「今までの治療ではどうしようもなかった患者にとっては1つの光明が見えた感じ」

医療保障制度などが専門の鹿児島大学の伊藤周平教授です。陽子線治療では、早期の肺がんが保険診療となった一方で、腎臓がんや食道がんなどは依然として公的医療保険は適用されず、患者の負担は大きいままです。なぜなのでしょうか?