日本人の2人に1人が一生のうちに診断されるといわれる「がん」。死亡率が最も多いのが肺がんです。

がんの治療では「外科手術」や抗がん剤に代表される「化学療法」に並び、有効とされるのが「放射線療法」の一つ、陽子線治療です。

今月から陽子線治療の保険の適用範囲が広がり、早期の肺がんの治療でも保険診療が受けられるようになり、費用は330万円から3万円になりました。陽子線治療の現場を取材しました。


陽子線治療…がん細胞にピンポイントで照射

放射線治療の一つ「陽子線治療」です。がん細胞にピンポイントで照射することができるため、従来の放射線治療に比べて正常な細胞にはほとんど影響がなく、がん細胞のみを死滅させることができるとされています。

鹿児島県指宿市の「メディポリス国際陽子線治療センター」です。九州で唯一の陽子線治療施設で、全国20か所ある施設のうち2番目に多い、年間およそ750人のがん患者が治療を受けています。

(陽子線治療を受けた患者)「去年、前立腺がんの陽子線治療を受けた。生活の質を落とさず優れた治療だった」


(メディポリス国際陽子線治療センター 荻野尚センター長)「陽子線が体の中に入って、病巣のところで一気に陽子線を出して、そこで止まるというのが陽子線治療の特徴」