「大きかったので治るかどうか心配したが、幸い治って、もう6年生存」

陽子線治療はおよそ2か月間に最大35回の治療が必要で、1回につき10分から30分程度です。荻野センター長は、陽子線治療は痛みや副作用など患者への負担が少ないため、仕事や日常生活を続けながら治療できると話します。

(メディポリス国際陽子線治療センター 荻野尚センター長)「当時79歳の男性、肺がん。右利きのはんこ職人だった。右利きの人で肋骨を切ると、右手の動きがやはりどうしても悪くなる。はんこ作れますかと外科医に聞いたら、諦めてくださいと言われたそう。それは本人としては納得できないということで、我々のところに来た。大きかったので治るかどうか心配したが、幸い治って、もう6年生存している」

一方で、大きな壁となっていたのが高額な治療費です。2008年から始まった陽子線治療は、公的な医療保険の対象外となる「先進医療」で、患者の負担はおよそ330万円です。ただ、一部のがんでは陽子線治療でも保険が適用されます。