鹿児島市で先週末、伝統行事の曽我どんの傘焼きが行われました。観客を集めての開催は4年ぶりで、集まった人たちは燃え上がる炎に見入りました。
曽我どんの傘焼きは鎌倉時代、曽我兄弟が父の敵である工藤祐経を討った夜、たいまつの代わりに傘を燃やしたという言い伝えにちなんだ伝統行事です。
新型コロナなどの影響でこの3年間は、関係者での神事だけを行うなど、従来のような傘焼きをすることはできませんでしたが、ことしは、実際に傘を焼くために準備を進めてきました。
そして、観客を集めての開催は4年ぶりとなった今回は、鹿児島市浜町の石橋記念公園を会場に実施することができました。
この日は、雨が降ったり、やんだりを繰り返す天気でしたが、保存会のメンバーらが「曽我兄弟の歌」を歌いながらおよそ150本の和傘で組んだ高さ5メートルのやぐらに火をつけました。
(観客)
「あぁ鹿児島だなと。薩摩だなと。70歳にして初めて見られました。よかったです」
「川の近くでするのはいいのかなと思った」「燃えててきれいだなと思いました」
(鹿児島三大行事保存会 野津親俊会長)「傘の油のにおいをかぐと、体が血肉踊るというか、興奮してしまいますね。この傘焼きほど何の演出もなく、ただ本当に骨太な行事だと思います。疫病や風水害を鎮めたり願いを込めた火まつりなので、少しでも効果があればなと」
久しぶりに開催することができた曽我どんの傘焼き。夏の夜を赤く染めた伝統の炎は、多くの人たちの思い出に残りました。