今だけしか市場に出回らない珍しい柑橘、「なつみ」が香南市で出荷の最盛期を迎えています。およそ1年かけて熟された濃厚な甘みと口いっぱいに広がる果汁が楽しめます。

少しボコボコとした皮が特徴のこちらのミカン、香南市野市町や香我美町山北地区を中心に栽培されている「なつみ」です。

水分を多く与えることで、「なつみ」が本来持っている強い酸味を減らしつつ、およそ1年かけて熟成することにより、甘みが高まるといいます。こうして栽培された「なつみ」の平均糖度は、一般的なみかんよりも3度高い14度。口の中にはたっぷりと果汁が広がります。

(尾上七海 記者)
「それでは収穫したてのなつみをいただきます。すごく甘いです。甘いんですけど後味はさっぱりしていてバランスの取れた味わいになっています」

香南市では5人の生産者が合わせておよそ70アールのハウスで栽培していて、今年の出荷量は例年並みの25トンほどとなる見込みです。

(JA高知県 香美地区果樹部 南津海研究会 池添哲治 代表)
「冬は寒波や雨が少なかった影響で少し酸が高かったが、3月4月に入って雨も降り糖度が上がり酸が抜けて美味しい食べごろになっている。これから暖かくなって酸の効いた食べ物が欲しいと思うのでなつみを食べてもらったら」

収穫された「なつみ」は5月上旬まで県内の量販店で販売されるほか、大阪や東京にも出荷されるということです。