■230億円が“流出” 大都市ではふるさと納税の「影」も!?

寄付がたくさん集まる自治体の財政は潤う一方で、大きな都市の場合、それだけ多くの人がふるさと納税をすることにもなります。それにより、多額の税金が他の自治体に“流出”しているケースもあります。

2021年度のデータを見ると、▼大阪市・約124億円▼名古屋市・約143億円▼横浜市・約230億円がふるさと納税により他の自治体に流れ出ている現状があります。

ただ、ふるさと納税に伴う減収分(=市民による納税額)の約75%は国からの交付税で補われます。そのため横浜市の場合、実際の損失は230億円の25%=約60億円だったそうです。

一方、横浜市に集まったふるさと納税は約3億3000万円でした。市は寄付の増額を図ろうと、今年度は返礼品として「ホテルの宿泊券」や「横浜中華街の食事券」といった観光分野に力を入れていくそうです。

■ユニークな返礼品も! 松山市の場合は?

では、また、愛媛県内で人口が最も多い松山市の場合を見ていきましょう。

2021年度に集まったふるさと納税が約6億6000万円。逆に減収分(=市民による他自治体への寄付額)は約9億5000万円だったということですが、こちらも横浜同様減収分の補てんがあります。

ちなみに松山市では、今年度から返礼品として市内の工場のみで製造しているスナック菓子「カール」の「うすあじ」と「チーズあじ」が返礼品として登場します!

東日本では現在、販売終了となっているので意外と貴重な存在です。懐かしいあの味を楽しみたいという方は、ぜひ寄付を検討してみてはいかがでしょう。

ふるさと納税のこの制度が続く以上、返礼品による税金争奪戦が繰り広げられそうです。特産品を通じた地域のPRはもちろん、制度本来の趣旨に立ち戻って「応援したくなる」「行きたくなる」「住みたくなる」町づくりも、さらに重要なりそうです。