おととし、愛媛県今治市内で自宅に放火し母親を殺害した罪に問われている男に対し、松山地裁は、介護疲れで心神耗弱状態だったと認めた上で懲役6年の判決を言い渡しました。

現住建造物等放火と殺人の罪に問われているのは、森松良和被告(59)です。

判決によりますと森松被告はおととし6月、今治市美保町の自宅でガスを漏らして放火し、重い認知症を患い寝たきりだった当時92歳の母親を殺害したということです。

松山地裁で開かれた24日の裁判員裁判で、高杉昌希裁判長は、森松被告が当時、母親の介護疲れから統合失調症を発症するなど心神耗弱状態だったと認めました。

また、先行きに不安を覚え、自殺を試みた末の場当たり的な犯行だとした一方で「母親の感じた苦痛や恐怖は極めて大きく、結果は重大」として、懲役6年の判決を言い渡しました。

森松被告の弁護士は、裁判で責任能力は無いと主張していて「控訴については本人と相談して検討する」と述べました。