愛媛県新居浜市の駐車場で、地元の後輩の男性の頭などをビールケースなどで何度も殴りつけるなどして殺害しようとしたとして、殺人未遂の罪に問われている男の裁判で、検察側は19日、懲役8年を求刑しました。

殺人未遂の罪に問われているのは、新居浜市中村松木の無職・池幡拓也被告(28)です。

起訴状などによりますと、池幡被告は2023年8月、市内徳常町の駐車場で、地元の後輩の男性(当時20)を殺害しようと、ビールケースで頭を何度も殴るなどして、高次脳機能障害などの後遺症を伴う、急性硬膜下血腫の傷害を負わせたということです。

今回の裁判は「殺意の有無」が争点ですが、19日の公判で検察側は「被告が頭部ばかりを狙ってビールケースで殴る、足で踏みつけるなど、力加減なしの暴行を多数回繰り返したことは、被害者が死ぬ危険性が高いと分かっていたことは明らかで、殺意は認められる」などとして、懲役8年を求刑しました。

一方、弁護側は「ビールケースの角ではなく、平らな面で殴っていることや、防犯カメラの映像ではどの部分に当たっているか分からず、頭に当たっていない可能性もあることなどから、1つ1つの行為は死ぬ危険性が高いとは言えない」などとして懲役5年が相当と主張しました。

また、19日の公判では、被害者の父親が証言台に立ち「医師に『息子さんはまず自分が誰かすら分からないと思います。話すことも歩くこともできないと思います』と言われたことが辛かった」と涙ながらに当時を振り返りました。

また、母親もこれまでの苦労などを語ったうえで「厳罰に処してほしい」と訴えました。
裁判はこれで結審し、25日に判決が言い渡される予定です。