愛媛県新居浜市で顔見知りの男性の頭をビールケースで何度も殴りつけるなどして殺害しようとしたとして、殺人未遂の罪に問われている男の初公判が17日、松山地裁で開かれ、男は起訴内容を一部否認しました。

殺人未遂の罪に問われているのは、新居浜市中村松木の無職・池幡拓也被告(28)です。

起訴状などによりますと、池幡被告はおととし8月、市内徳常町の駐車場で、顔見知りの男性(当時20)を殺害しようと、ビールケースで頭を何度も殴るなどして、高次脳機能障害などの後遺症を伴う、急性硬膜下血腫の傷害を負わせたということです。

17日の初公判で池幡被告は「やったことには間違いありませんが、“殺意を持って"という部分は違います」と起訴内容を一部否認しました。

この後の冒頭陳述で検察側は、池幡被告が地元の後輩である被害者と事件前日に遭遇した際、無視されたなどとして立腹し電話で呼び出したことなど、事件までの経緯を明らかにしました。

さらに凶器に使用されたビールケースや現場の防犯カメラの映像などを示すなどして「被告の暴行が男性を死なせる危険性があった」と主張しました。

また、被害者の母親が証言台に立ち、息子について「手術の成功率が1%未満」と説明を受けていたことや、現在も左半身に麻痺が残り、生活に支障をきたしていると訴えました。

一方の弁護側は「殺意はなかった」として、傷害罪に留まると主張しました。