24時間態勢の消火活動と、27日夜からの恵みの雨…。愛媛県今治市の山林火災は、発生から6日目で鎮圧のメドがたちました。

昨夜の今治市内。火災の発生以来、初めてのまとまった雨が降り、27日夜から28日未明にかけ28.5ミリの雨量を観測。“恵みの雨”に、住民からは安堵の声が聞かれました。

住民
「雨はありがたい。あれだけでも助かったのではないかと思って喜んでいる」
「本当に自然の恵みの雨に感謝している」

愛媛県内では平成以降最悪の規模となっている今回の山林火災。

発生初日には50ヘクタールだった焼損面積は急速に拡大し、3日目までに南北の広い範囲に及び、300ヘクタールを越えました。しかし、27日夜からの雨もあり、28日午後2時半時点の焼損面積は442ヘクタールと、前日と変わらず延焼は食い止められています。

そうした中、消防は、ドローンの赤外線カメラで残り火がないか調査。今治市によりますと、煙や炎は確認されないものの周辺より温度の高い所が複数あったということで、散水を実施しました。

高松市消防局 福家由造消防司令長
「今回のドローンで確認したところ、地表でわずかですけど温度が高いという状況が発見された。腐葉土や枯れた根っこが埋まっていたりすると中に火が残っている可能性がありますので、陸上部隊らで再度確認する活動が必要になります」

被災地に戻りつつある日常。避難先から帰宅した住民も…。

避難先から戻ってきた女性
「水が出る!今まではこんなに出なくて、プシュ、プシュって茶色かったり白かったりで全然出なかったので、飲み水にもできないし、水買ってこなきゃいけないなと状態だったんですけど。一安心」

ただ、室内にはすき間から入り込んだとみられる灰が…。山林火災の激しさがうかがえます。

また、沿線にも飛び火するなどして利用できなくなっていたJR予讃線の伊予桜井駅も、28日昼過ぎから再開されました。

利用者(神奈川から)
「きのうまではここが使えないということで心配していたが、来てみたら通るようになって良かったと思っている」

近くにある寺院も、寸前のところで火災から免れたといいます。

法華寺 龍田泰延住職
「消防隊員の行動力、ヒーロー・英雄というのが当てはまるような方々でしたね」

住職は、寺を守ってくれた消防隊員への感謝とともに、一日も早い鎮火を祈っていました。

そして…。

今治市 徳永繁樹市長
「あす、あさっての土日をかけて、ドローン・ヘリによる熱源感知と地上部隊を含めた感知か所の消火活動を実施し、安定して制御できていることを十分に確認した上で、31日月曜日に鎮圧宣言を行いたいと考えています」

今治市の徳永市長は「延焼を阻止している状態にある」として、来週月曜日にも鎮圧を宣言したい考えを示しました。

なお、今治市と西条市のあわせて3848世帯、7494人に出されていた避難指示は、大幅に縮小されました。
【避難指示発令中】
今治市長沢地区(219世帯、381人)
今治市緑ヶ丘団地(114世帯、230人)
計 333世帯、611人

【被害状況】28日午後2時半時点
●人的被害…2人
●住家・非住家被害…住宅5棟、空き家6棟、非住家10棟