愛媛県松山市と沖合の中島などを結ぶ高速船が来月から当面の間、大幅に減便されます。発表は実施の10日ほど前、突然のことに利用者には戸惑いが広がっています。

27日朝7時頃、愛媛県松山市の高浜港。待合室にいたのは沖合の中島などに向かう高速船の利用者です。

しかし…

(船の利用者)
「非常に大変になる。どうしようかなと」

20日、高速船を運航する中島汽船は、深刻な船員不足を理由に、来月から当面の間、現在の合わせて15便から7便に減らすと発表しました。

年間およそ12万人が利用しているという高速船。

この日も第1便はほぼ満席でした。東西2つのルートのうち、高浜港と中島本島の大浦港を結ぶ東線は、松山方面の上りと中島方面の下りが5便ずつ出ていますが、それぞれ3便運休となります。

高浜から大浦港へはフェリーもありますが、第1便の出発は10分あまり早い一方、到着が30分近く遅いのです。

これに利用者は…

(通学で高速船を利用)
「ちょっと衝撃が隠せない。高速船が無くなるとフェリーしか無いので、早い時間に出ないといけなくなる。朝に親の負担になる」

戸惑いは島民も同様です。

中島汽船が島民への説明を始めたのは発表の前日、今月19日からでした。

(島民の女性)
「突然だと思った。前もって情報が入ってなかったから」
(島民の男性)
「一番使う便利の良い船が無くなって、中島から出る朝7時55分の不便になるのは困る。町民としては移動手段だから」

また、島の子ども園は、職員11人のうち4人が船で通勤していて、運休の発表を受け、急きょ勤務シフトを作り直すなど、調整に追われたといいます。

(正鋳倫子 園長)
「2月1日からどうなるのかという不安はあるが、何とか子どもたちに影響の無いよう組み替えた」

さらに島民を対象に新たな職員を募集し、対応することにしています。

一方、松山市は…

(野志克仁松山市長)
「中島汽船には可能な限り早急に船員を確保して、通常運行に戻してもらいたい。島の方への説明を丁寧に十分に実施してもらいたい」

中島汽船はなるべく早い事態の収拾へ、船員の新たな募集と処遇改善などを進める方針です。