未だ避難指示が解除されず…自宅に続く道には“バリケード”
―― 最終日、生徒たちが訪れたのは、福島第一原発が立地する双葉町です。
ここで生徒たちを案内してくれたのが、双葉町から愛媛県松山市に避難している澤上幸子さん。
渡部さんと、震災の記憶を若い世代に伝えるこのプロジェクトを進めています。
澤上さんの自宅がある地域は、未だ避難指示が解除されていません。今回、生徒の保護者や町の同意を得て、希望した子どもだけ連れ自宅に向かいました。
途中、スクリーニング場に立ち寄り、放射線量を計る機器や防護服を受け取ります。
(福島県双葉町から松山市に避難・澤上幸子さん)
「ここで行きも帰りも通って検査を受けます。手続きがないと家に帰れないというのも、12年経っても変わらない」
自宅に続く道にはバリケードが設けられています。通過する際は警備員に身分証や許可証を見せます。

澤上さんの自宅があるエリアは、避難指示の中でも立ち入りが特に厳しく制限されている帰還困難区域です。
滞在できるのは一日に最大7時間、原則年間30回までです。
バリケードの先に車を走らせると、目に飛び込んでくるのは手入れもされず、草木が生い茂った景色。
その中には動物が入ってこないようラジオをつけっぱなしにした家もあります。福島第一原発からおよそ5キロ。澤上さんの自宅が見えてきました。